HOME > 技術情報 > 吸着ゼミナール > 細孔分布 : 吸脱着等温線ヒステリシス

吸着ゼミナール:細孔分布

吸脱着等温線ヒステリシス

昔からまた現在においてもガス吸着からの細孔分布は吸着あるいは脱着側の等温線のどちらを使用するべきかの論議があります。


この吸脱着ヒステリシスは異なる径の細孔が連結していることによる段階的な脱着機構(パーコレーション)によるものと考えられており脱着側からの細孔分布解析は注意が必要です。一般的には吸着側等温線から解析する細孔分布において問題が少なく真値に近いといわれています。

吸脱着ヒステリシス

また脱着等温線は細孔径が変化してもすべて同じ相対圧で吸着側に閉じるという現象があります(特殊なロープレッシャーヒステリシスを除く)。このことは脱着の閉じる原因は細孔径によらず、吸着温度における吸着質の物性によるものであり、現在これは細孔内に凝縮した吸着相のキャビテーションによるものと考えられています。このキャビテーションの起こる脱着側等温線からの細孔分布解析においては必ず3.4nm付近の細孔ピークが現れますが、これは材料の細孔を意味しないので無視する必要があります。

窒素脱着時(77K)のキャビテーション

下図にシリカの電子顕微鏡写真と細孔分布を示します。

メソポーラスシリカ細孔分布

赤い丸印は吸着側等温線から求まった細孔ピーク(29 nm)であり、青い丸印は脱着側等温線から求めたものを示します(18 nm)。両者には約10 nmの差があります。材料をスライスし電子顕微鏡観察した写真と比較すると吸着側から求めた径が材料の細孔を良く表していると考えられます。またこの材料の場合不均一な細孔が複雑に連結していることが分かります。ガス吸着は材料の細孔情報を得るには有効な方法ですが細孔形状を特定することは現在のところできません。それ故、文献を調べたり電顕観察し細孔形状を推測した上で適切な細孔分布解析理論を選択する必要があります。

pagetop

マイクロトラック・ベル株式会社

   

NIKKISO

    
COPYRIGHT © MicrotracBEL Corp. All Rights Reserved. リンクサイトマップ個人情報の取り扱いこのサイトについて